福澤諭吉先生没後弟子の慶應通信ノート・その後

慶應義塾大学法学部卒業 通信教育課程の勉強覚書

「回復された世界平和」

 今回、慶應義塾大学法学部通信教育課程乙類への入学志願にあたり提出した書評に関する小論文の題材として選んだ書は、アメリカのキッシンジャー元国務長官・国家安全保障問題担当大統領特別補佐官がハーバード大学に提出した博士論文を基にした著「回復された世界平和」(伊藤幸雄訳)でした。
 国際政治学を勉強したいと思い慶大法学部通信教育課程入学を志望したので国際政治に関係ある書籍を選ぶ必要があったわけですが、候補として挙がったのは高坂正堯京都大学教授の「国際政治ー恐怖と希望」(中公新書)とキッシンジャー博士の「回復された世界平和ーメッテルニヒ、カースルレー、そして平和の問題 1812~1822」(原書房)でした。これまで前者は4~5回ほど通読、後者は2回、通読してました。前者は現実主義に基づいた国際政治学の入門書であり、後者はフランス革命とナポレオン戦争によって混乱したヨーロッパをオーストリア宰相メッテルニヒとイギリス外相カースルレーらを軸に安定したヨーロッパをもたらした「ウイーン体制」を分析した研究書です。結果として後者の「回復された世界平和」を選び、「「勢力均衡」を基本としたキッシンジャー外交を理解していく場合、「回復された世界平和」は参考になる。」というような要旨で小論文を仕上げました。
 「回復された世界平和」は読みごたえのある本です。興味を持たれた方は一度、手にしてはいかかでしょうか。

夜に書いたレポートはそのまま提出するな。

 刺激的なタイトルですが、要するに夜、執筆したレポートは、そのまますぐに提出するのではなく昼間にもう一度、見直せということです。人間というものは夜になると気分が高揚して筆も大いに進むらしいですが、昼間に改めて見ていくと文章的に変な箇所、論理的に変な箇所、あるいは誤字、脱字に気づくというものらしいです。不肖・りゅうくんは、経済学部時代、書いたレポートは何日か寝かせておいて数日経過した後に見直しと修正を行い提出してました。元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんは、著書の中で「夜、書いた文章は昼間にもう一回、見直せ」というようなことを書いていたと記憶しています(間違っていたらゴメン)。
 したがってレポートだけでなく夜、書いたラブレターも昼間にもう一回見直した方がいいでしょう。あとで恥ずかしい思いをしなくていいと思いますから(笑)

早く卒業論文を書きたい

 今回、慶大法学部通信教育課程に入学した理由の一つとして卒業論文を書きたかったことです。これまで書いた論文で世に出た論文(つまり大学に提出した論文)は3本、このうち最初に書いた論文は、ゼミ論文で題名は記憶しているものの写しを手元に保存しておらず書いた内容もほとんど覚えていません。ゼミ(ドイツ政治史)卒業にあたって苦し紛れに書いた論文で評価も優・良・可のうち良でした。たぶん学術論文としての体をなしていなかった論文だったと思います。
 次に書いたのは修士論文、400字詰原稿用紙130枚ぐらいのボリュームでした。当時はすべて手書きで現在のようにワード等で自由自在に論文修正はできません。四苦八苦して執筆した思い出があります。しかも手書きの論文はカール・マルクス並みの悪筆で審査の先生方には申し訳なかった思いでいっぱいです。
 3本目は慶大経済学部通信教育課程での卒業論文です。ワード、エクセルを使用しての論文で我ながら満足した内容に仕上がりました。
 4本目はこの慶大法学部乙類通信教育課程で書こうと思います。すでに書きたいテーマは決まっており論文構想もほぼでき上がっております。早く卒業論文指導にたどり着きたい思いです。

マクロ経済学・ミクロ経済学のレポートについて

 不肖・りゅうくんは2007年10月に経済学部に学士入学し2012年9月に卒業しました。5年かかりました。学士入学者は最短2年半で卒業できますので2倍かかったことになります。
 難航したのは「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」のレポート。どちらも4回不合格となり5回目にようやく合格しました。参考文献を駆使してのレポート作成でしたが、どうしても合格できない。マクロ経済学・ミクロ経済学は経済学部の必修科目、捨てるわけにはいかず、いったいどこがいけないのか悩みました。不合格が重なるにつれて提出するレポートの厚みが増し最後はホッチキスの針が通すことができなくなりパンチで穴を開けて綴り紐を通して束ねて提出しました。
 今回、経済学部に入学された皆様、「マクロ経済学」「ミクロ経済学」は経済学習得の基本ですが、この科目は簡単には合格点はいただけません。レポート作成・提出は後回しにした方が賢明だと思われます。

福翁自伝のこと

 慶應義塾に入学するともれなく福澤諭吉先生の自伝書「福翁自伝」が贈呈されると思います。不肖・りゅうくんは、今回2回目の慶應義塾入学となりますので2冊目となりますが、実は全く慶應義塾と縁が無いときから福翁自伝の岩波文庫版を購入して読んでいました。福翁自伝で面白い箇所は幕末編でしょう。特に大坂の緒方洪庵の適塾の場面は、福澤先生を含めた適塾塾生たちのハチャメチャな生活ぶりが生き生きと描写されています。
 今回、初めて慶應義塾に入学された塾生の皆さん、ぜひ福翁自伝を読みましょう。